1と0と1/fの揺らぎ

音楽を愛するエンジニアもどきの記録帳

アルゲリッチ音楽祭2017

お久しぶりです。なりっくです。

随分放ったらかしにしてしまいましたが、別府アルゲリッチ音楽祭に行ってきましたので、久々に投稿しようと思います。

僕にとってのマルタ・アルゲリッチ

マルタ・アルゲリッチ

言わずと知れた世界最高峰の女流ピアニスト。

故・中村紘子さんが4位に入賞した1965年の第7回ショパン国際ピアノコンクールを制し、ときに繊細な、ときに情熱的かつ奔放な演奏をもって、76歳となった現在まで世界で活躍し続ける大ピアニスト。

そんな、ピアノ好きなら誰もが知っているマルタ・アルゲリッチですが、僕にとっては少し特別な存在です。

中学二年で出会った英雄ポロネーズ

僕は子供の頃からピアノを弾いていました。

初めは歳の離れた姉の練習中、高音部の前に子供用の高い椅子を置いて鍵盤を叩くところから。次第に姉の真似をしてピアノを"弾く"ようになり、猫ふんじゃったなどの簡単な曲を弾いて遊ぶようになりました。

その後、現在までお世話になっている師に出会い、ピアノを学ぶようになりました。

しかし、小学校も三年生くらいの頃、ある友達が僕に向けてこのような言葉を発するようになりました。

 「男のくせにピアノやってるの?」

その言葉は一度だけでなく、また、さらに周りの友達にもこの考えは伝播し、僕はピアノと向き合うことをやめてしまいました。

 

そのまま小学校を卒業し、中学生になってもこの時のことを引き摺っていました。

中学校では脚の怪我もあり吹奏楽部に入部しましたが、ピアノとだけは距離を取り続けていたのです。

 

そんなある日、偶然父が図書館で借りてきたCDの中に、ピアノの名曲を収録したものがあり、ふと聴いてみることにしました。

音楽を聴くこと自体は好きだったので、久々に向き合うピアノの音にも抵抗なく聴き進めていくうちに、ついに演奏と出会います。

 

英雄ポロネーズ(Pf. マルタ・アルゲリッチ

 

主題部は恐らく多くの人が一度は耳にしたことのあるであろう名曲。

そして、ピアノ弾きなら一度は弾いてみたい憧れの曲。

その曲を輝くような音色で力強く弾いていた女流ピアニスト。

それがマルタ・アルゲリッチでした。

 

その演奏はまさに衝撃的で、僕はこれをきっかけに再びピアノと向き合うことになります。

このあたりの細かい話を書くと長くなるので割愛しますが、僕にとって、14歳の頃に聴いたアルゲリッチが弾く英雄ポロネーズ、これこそが音楽と、そしてピアノとの付き合い方を変える切っ掛けとなるものでした。

お手本に…ならない…けど?

これ以降、アルゲリッチの演奏に惚れ込み、多くの曲を何度も何度も聴き続けて自分の中に取り込もうとしました。

どうやってあんな音を出しているんだろう。

一つひとつの音の表現はどうなっているのか。

                  などなど…

それこそ同じ曲を1000回以上聴き続けることもありましたが、当然のことながら、なんちゃってレベルの真似をするにも力が足りずに苦しむこととなります。

 

どんなに好きでも、お手本に出来るかどうかは別問題だということを学んだ時期でした。

 

しかしながら、ここで一つひとつの曲についての接し方がある程度固まり、とにかく自分の中の音楽表現を掘り下げ、それを演奏で再現しようとするという楽しみ方を知ることが出来ました。

これこそが、その後長くピアノを続ける原動力となったといえるでしょう。

 

 

ちょっと長くなったので、次の記事に続きます...